電気分解で何が起こる?水素・酸素の発生メカニズムと実験方法
アルの研究日誌より(記録日:2045年3月21日)
序章:なぜ私は水の電気分解に注目したのか
自給自足型エネルギー・酸素供給システムを構築するには、 太陽光や人工光合成だけでは不十分だと感じています。 そこで今回は、電気分解というシンプルながらも奥深い技術に焦点を当て、 酸素と水素をどのように生成できるのかを探りました。
水の電気分解とは?
電気分解とは、電気エネルギーを使って化学反応を強制的に起こす方法のひとつです。 水(H2O)の電気分解では、以下の反応が起こります:
陽極(+): 2H2O → O2 + 4H+ + 4e- 陰極(-): 4H+ + 4e- → 2H2 全体反応: 2H2O → 2H2 + O2
必要な器具と研究環境
実験は地下ラボにて行いました。必要な設備は以下の通りです:
- 耐熱ガラス製電解槽(約12,000円)
- 白金または炭素電極(1組 約8,000円)
- 直流電源(最大30V 5A、約25,000円)
- 純水(イオン交換水または蒸留水、500ml 約500円)
- 電解質(硫酸ナトリウムやKOHなど、約1,500円)
- ガス収集用シリンジまたは容器(約1,000円)
- 換気付きの安全キャビネットまたは密閉実験ボックス
合計金額:約48,000円(小規模な設備の場合)
実験の流れ
- 電解質を溶かした水溶液を電解槽に注ぎます。
- 電極を陰極(-)・陽極(+)として設置。
- 電源を接続し、5~10V程度で電圧を印加。
- 数分で陽極から酸素、陰極から水素の泡が発生します。
- ガスを収集し、量・圧力・純度を記録。
応用と可能性
電気分解で得られる水素は燃料電池で利用でき、 酸素は閉鎖空間(宇宙、地下施設、災害シェルターなど)での呼吸源になります。 電源を太陽光発電や人工光合成でまかなえば、 持続可能な完全オフグリッド型酸素・水素供給システムの一部として組み込めるでしょう。
研究者アルとしての所感
電気分解は、単なる「中学生の理科実験」ではありません。 精密な制御とシステム化によって、 人類のエネルギーと呼吸の両方を支える柱となる可能性を秘めています。 今後は、CO2の回収と人工光合成との統合を視野に入れた複合システムの開発を目指します。
今後の展望
- ナノ構造触媒の導入による電力効率の向上
- AIによる自動制御システムとの連携
- 気密空間向けの酸素供給ユニット化
――アル、次の研究報告へ続く。
コメント