著作権の著作財産権の中にある『譲渡権(じょうとけん)』とは何か?
ざっくり内容を紹介しますとこうなります。
『譲渡権』とは
① 無断で公衆に『譲渡(売り買い譲るなど)』されない権利。
② いったん適法に譲渡されたものについては権利が消滅。(店頭で売られている本やCDは既に譲渡権が消滅しているので転売は自由。)
③ 特定少数の人への譲渡には権利が働かない。(プレゼントするような場合。)
大体こんな感じになっています。
大衆へっていうのがポイントですね。
更に譲渡権が著作権中でどの辺に位置するのかを図にしています。
この図の右側の「著作財産権」の枠の中にあります。
この枠の右側の上から三つ目に書いてあります。
この辺を踏まえまして『譲渡権の侵害とは何か?』について、例題を出して紹介していこうと思います。
本屋で購入した本が「再販売禁止」と書いてあったが無視してネットで販売したら譲渡権侵害?
さあどうでしょうこのパターン。
え~と「再販売禁止」って書かれた本を買って、読み終わったから売りたい!
こうなった時に、でも再販禁止って書いてあったけど・・・・。
でもすでにこれも再販で買ったんちゃうんかい!
知らんがな~。
法的根拠あるんかいいいいいって事で売っちゃいまーす。
合法でしょ・・・・。
どうなんだろ。
本に書いてあったって言っても、そもそも譲渡権って最初の1回目の譲渡にだけ権利が主張できるっていうし。
う~む。
譲渡権侵害にはならないんじゃないかと思います。
どうでしょう・・・・。
正解はこうなっております。
譲渡権侵害にはなりません!!
やはり!!
やはりですね。最初の譲渡の時点で譲渡権は消失するらしく。
例え本に「再販売禁止」って書いてようが、譲渡権が及ばないので、侵害にはならないって感じです!
再販売禁止って書いた人のただの願い的な?
海賊版とは知らずに購入したパソコンソフトをネットで販売した場合は譲渡権侵害?
海賊版とは知らずに、購入して、その後に売る。
これはですね。
絶対にまた引っ掛けじゃないですかこれ?
何かごちゃごちゃ違う罪になりそうなものを放り込んでおきながら、結局譲渡権には関係ないから譲渡権的には侵害にはならないみたいな・・・。
譲渡権的な侵害にはならないが他の罪的にはアウトだとか。
でも今回は譲渡権の問題だからね~やっちゃったね~ずいぶん長く考えて時間を使っちゃったね~ごくろうさまでした~。
みたいなむかつくやつじゃないですか、この問題のパターンは・・・・。
ですので、もうシンプルに譲渡権侵害にはならないです。
もう市場に出てる時点で譲渡権は関係なくなってますから。
譲渡権侵害にはならないと思います。
どうでしょう。
正解はこうなっております。
譲渡権侵害にはなりません!!
やはりひっかけですね。
海賊版とか怪しいこと書いてますが、譲渡権侵害にはなりません。
しかしですね。
一つ注意したいのが「いったん適法に譲渡されたもの」は譲渡権が消失するんですが、海賊版とかは違法ですから、譲渡権が適応できます。
そもそも、無断で海賊版を大量に作った侵害者が、これを全部第三者に一括して転売してしまった場合に、その第三者(海賊版作成者ではない)による販売を差し止められるようにするっていう目的もあって譲渡権が出来たようですので。
無断で海賊版を作製して販売したとか、海賊版と知っていたとか、この辺で譲渡権の適応・適応しないが変わってくるので注意が必要です。
まとめ
今回の内容をまとめてみたいと思います。
譲渡権侵害になる?ならない?
① 本屋で購入した本が「再販売禁止」と書いてあったが無視してネットで販売したら? → 著作物の最初の譲渡の時点で譲渡権は消失するので再販売禁止と書いてあっても譲渡権侵害にはならない。
② 海賊版とは知らずに購入したパソコンソフトをネットで販売した場合は? → いったん適法に譲渡されたもの」は譲渡権が消失する、海賊版とは知らずに行ったので譲渡権侵害にはならない。
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