著作権という権利の中に「著作財産権」という権利があります。
著作物を使用して利益を得たりするお金に関わる権利がまとめられたのが「著作財産権」になります。
いまいちわかりにくいので図にしてみました。
この図の右側です。
細かい権利がいっぱいある・・・・。
「著作者財産権」の中に10個も権利がります。
もう嫌になりますが、とりあえず頑張って紹介していこうと思います。
今回は著作財産権の中の『複製権』についてです。
「複製権」とは、ざっくり『著作物を無断で複製されない権利』です。
これだけ聞くと簡単なのですが、例題を出されると意外と迷って答えられなくなり、わけわからなくなります。
ですので例題を用いて、この『複製権』について紹介していきたいと思います。
自分のブログに載せる為、テレビで流れた映画の音声を録音するのは映画の複製権の侵害になるの?
さあどうでしょうか。
シンプルに考えてなんかやっちゃいけない行為のような気がしますね。
でも音声だけならいいのかな?
すでにテレビで流れてるしいいのかな?
何てちょっと考え出すと、あれ?いつの間に樹海に??ここ何処だ・・・・、いつの間にこんな森の中に入ってしまったんだ?、いつから記憶がないんだろう・・・。
ズキッ、うっ頭が割れるように痛い・・・・。
となってしまいます。
とりあず、著作権法での『複製』とはどういう事を指すか、条文を見てみましょう。
(定義)第二条
十五 複製
印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製することをいい、次に掲げるものについては、それぞれ次に掲げる行為を含むものとする。
イ 脚本その他これに類する演劇用の著作物 当該著作物の上演、放送又は有線放送を録音し、又は録画すること。
ロ 建築の著作物 建築に関する図面に従つて建築物を完成すること。
著作権法e-Gov法令検索
こんな風に定義されています。
例題は「テレビで流れた映画の音声を録音する」行為ですから、条文に書いてある『印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製すること』の録音に該当します!
ですので、無許可でテレビで流れた映画の音声を録音して自分のブログに載せる行為は違法になる。
これが正解になります。
講演会の内容のメモをネットで配信したら複製権侵害になる?メモの単語の幾つかが同じ意味でも違う単語になっていた場合は?
長いですね。
まず問題文が長いです。
え~と。
まず、講演会の内容をメモに取るって行為は、複製になりますので、その内容を無許可でネットで配信したら複製権違反です。
ただ、メモなので、まるっきり一緒じゃないですやん。
ちょっと聞いてパパパって書いたから、ちょっと内容違いますからいいですやん。
硬い事言いなさんな~。
っていう主張。
これがどうなるかで迷いますよね~。
この辺に関しては一応こんなニュアンスになるようです。
『複製は元の著作物と完全に同一である必要はなく実質的に同一であればいい。』
なるほど、実質的に同じ意味になるんでしたらそれ複製ですがなって言えるって事ですね。
という事でこの例題はどちらも複製権侵害になるが正解になります。
一つの楽曲に二人の作詞家が同時に同じ詞をつけて公表したら複製権侵害になる?
奇跡ですね。
かなりの奇跡的確率ですが、絶対ないとも言えません。
こういう場合どうするのでしょうか?
どっちの著作物になるのかな?
これがですね~。
結構面白いといいますか。
この場合、同時に詞が出来ていますから。
お互い複製権の侵害にはなりません!
なるほど!複製権侵害になるかならないかの問題やった・・・・。
ついついどっちの著作物って考えてしまった・・・・。
そこで悩んでお意味はありません!
どっちの著作物かは、お互いで話し合ってもらいましょう。
どっちが先に作詞したかを争ってもらうとして、今回は複製権の問題ですから。
複製権侵害にはなりません、が正解になります。
まとめ
今回の内容をまとめてみたいと思います。
複製権侵害になる?ならない?
① テレビで流れた映画の音声を録音してネットで配信したら? → 印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製するにあたるので複製権侵害になる。
② 講演会の内容のメモ(内容は一緒で語句が少し違うもの)をネットで配信したら? → 複製は元の著作物と完全に同一である必要はなく実質的に同一であれば良いので複製権侵害になる。
③ 一つの楽曲に二人の作詞家が同時に同じ詞をつけて公表したら? → 両方とも複製権の侵害にはならない。
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