著作権法の著作物に該当する条件を紹介してきましたが、今回からは例題をだしてみて紹介してみようと思います。
そうしないと、何か説明しづらいといいますか、やたら長くわかりづらい文になってしまうので。
ちょっとこういう場合はこういう考えでこうなりますっていうのを簡単に説明出来たらいいなと思いますのでやってみます。
ある著作物を忠実に模写した場合、著作物と言えるのか?
忠実に模写した場合。
どうでしょう。超上手な真似た絵とかありますよね。
普通に自分で独自に書いてもうまいでしょって方が著作物をまねて書いた絵とかは、著作物になるのでしょうか?
これもですね。
著作権法の著作物とは?の条文を見て読み解きます。
条文はこうですよね。
第二条一項 著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
著作権法e-Gov法律検索
こうなっております。
模写したものの扱いはどうなるか。
正解はこうです。
模写したものは、『思想又は感情を創作的に表現したもの』に入りません。
たとえ長い時間かけてすごく頑張った作品だとしても著作物にならないんです。
自身の思想・感情で捜索しないとダメなんですね。
じゃあちょっとだけ真似た場合は?元の作品から少しだけ変えた場合は??
これはケースバイケースです。
その作品からアイデアだけ頂いて創作したものであれば著作物になると思います。
元の作品からちょっとだけ変えただけだと、う~ん模写ですね。
って感じで著作物にならない判断になるかもしれません。
その場その場で裁判とかで争って決めるという事ですね。
絵画を描いたのが無名の素人だったとしても著作物になるのか?
これもですね、先ほどの条文から読み解きますと、著作物になります。
例えば絵画を描いた人が、素人でも、子供でも、『思想や感情で創作して表現』していれば、それを創作した方は著作者であり表現したものは著作物になるのです。
表現することが必要ですから、例えば絵なら書かないとダメですよね・・。
頭の中に思い浮かべていただけでは保護されないでしょうから、やはり何かしら表現しないといけません。
しかし、表現すればよいだけで、メディアに公表してないとダメとかそういう条件があるわけでもありません。
要は創作してお家に置いといて誰にも見せていなくても、創作して表現できた時点で著作物となります。
誰かが部屋に入ってちらっと見かけて、それをまねて同じものを作って世間に発表した場合。
「先につくったのは私です!」と主張できます。
しかし、本当に先に作っていたかは証明しなければいけませんので、日時が分かるように証拠は残しておいた方が良いですね。
後で争った時の為に・・・。
まとめ
今回の例題は2点です。
『模写した作品』と『無名の人が作った作品』は著作物になるのか?
正解は、
『忠実に模写した作品』は著作物にならない。
『無名の人が作った作品』は著作物になる。
という結果になりました。
引き続きこんな感じで例題を上げて紹介していきたいと思います。
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