今回は、著作権法における『複製権』とは何ぞや?
これを紹介していきたいと思います。
複製権というのは、「複製する権利」と言われますがどういうことかよくわからないのでその辺を重点的に調べてみました。
著作権法には『複製権』は何て書いてあるの?
まずは、条文から入りましょう。
著作権法の条文を見てみましょう。
『著作権法』についてはこう記載されています。
第二十一条 (複製権) 著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。
著作権法e-Gov法令検索
これだけ!?
これだけなんですよ。
著作権の条文は『複製権』についてはこうなっております。
要は著作者以外は、著作物のコピーを作ってはいけないって事ですね。
『複製権』は著作権のどの位置にある権利?
『複製権』が著作者しか著作物をコピーしちゃだめだよって言う権利というのは分かりました。
ただ複製権が著作権の中のどの辺にある権利なのか。
全体図が良くわからないと何だかよくわからないので図にしてみました。
ちょっとこの図を見ながら説明していきます。
まず『著作者』には、「著作人格権」と「著作権(著作財産権)」という二つの権利があります。
「著作人格権」は譲渡出来ない著作者のみの権利。
「著作権(著作財産権)は譲渡できる権利です。
その譲渡できる権利の中に『複製権』があります。
という事は、『複製権』は譲り受けることが出来るんです。
著作者が譲渡・相続できる『著作権(著作財産権)』の中にある権利ですので、著作者から移動できる権利なんですね。
著作者から権利を譲り受けた人の事を『著作権者』といいます。
著作権者が持つ権利の中に『複製権』がありますので、著作権者もコピーする権利を占有できるんですね。
『複製』とはどういう行為?
著作権において『複製権』の位置関係は何となくわかってきました。
では次は、どういう行為が『複製』にあたるか。
これも考えてみると結構難しかったりします。
では、著作権法での『複製』はどう書いてあるか条文を見てみましょう。
第二条1項15号 複製 印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製することをいい、次に掲げるものについては、それぞれ次に掲げる行為を含むものとする。
イ 脚本その他これに類する演劇用の著作物 当該著作物の上演、放送又は有線放送を録音し、又は録画すること。
ロ 建築の著作物 建築に関する図面に従つて建築物を完成すること。
著作権法e-Gov法令検索
条文ではちょっと難しいので、『複製』に該当する例を出すとこんな感じです。
①手書きで模写した物
②印刷・録音・録画した物
③建築図面に従って建てた建物
④建築された建物をもとに建てた建物
⑤暗号化された文章の通常文章化
⑥講演の原稿化
⑦即興曲の楽譜化
などなど、こんな行為が『複製』とみなされます。
『複製』ではなく、二次的著作物になる条件は?
『複製』に似ている物の中に、二次的著作物があります。
二次的著作物とは、ある著作物を真似て、その著作物を元に新たなに創作した著作物になります。
複製との違いは、新たに思想・感情を込めて創作したかどうか?ここになります。
裁判でもめそうですよね。コピーなのか二次的なのか。
しかし、二次的著作物を造るのにも元の著作物の著作者・著作権者に許可を取る必要があります。
コピーするにも二次的著作物を造るにも、結局、元の著作物の著作者の承諾がいるというルールがあるので著作者の権利が守られてるんですね。
まとめ
著作権上の『複製権』とは?
① 著作者・著作権者が持つ権利で、譲渡・相続できる権利。
② 著作権の中の著作財産権の中にある権利。
③ 複製権を持つ者の承諾を得ないと著作物のコピーをする事が出来ない権利。
④ 著作物をそのままコピー→『複製』、著作物を真似て新たに創作した物→『二次的著作物』
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